
前回のコラムで検索意図の重要性とロングテールキーワードの効果について説明をしました。
では、実際に検索意図を深掘りするには、どのような方法を使えば良いのでしょうか?
感覚や推測だけに頼っていては、的確な検索意図の把握はできません。
検索意図を深掘りするためには、具体的な手法とツールを活用する必要があります。幸い、無料で使える優秀なツールがいくつも存在しており、これらを適切に活用することで、ユーザーの検索意図を正確に把握することができます。
今回は、複数の手法を組み合わせて多角的に分析し、様々な角度からユーザーの検索意図を探る具体的は方法をお伝えします。
Googleサジェスト・再検索ワードをつかう
検索意図を深掘りする最も基本的で効果的な方法が、Googleサジェストと再検索ワードです。
この2つには、実際のユーザーの検索行動が反映されているため、リアルな検索意図を把握することができます。
Googleサジェストとは、検索ボックスにキーワードを入力した際に自動的に表示される関連語の候補です。
たとえば「ホームページ制作」と入力すると「相場」「勘定科目」「名古屋」「会社」「補助金」などの関連語が表示されます。
これらの関連語は、多くのユーザーが実際に検索している組み合わせを反映しています。

再検索ワードは、検索結果ページの下部に表示される「他の人はこちらも検索」という部分に出てくるキーワード群です。
これらは、最初の検索で満足できなかったユーザーが追加で検索しているキーワードであり、より深い検索意図を表している場合があります。

「ホームページ制作」のサジェストを詳しく分析してみると、ユーザーの様々な検索意図が見えてきます。
「料金」「相場」「費用」といったキーワードは価格情報を求める意図を、「自分で」「簡単」「初心者」といったキーワードは自作方法を知りたい意図を表しています。
これらのサジェストキーワードを分析することで、「ホームページ制作」というメインキーワードに対して、どのような検索意図が存在するかを具体的に把握することができます。
そして、それぞれの検索意図に対応した個別の記事を作成することで、より多くのユーザーニーズに応えることができます。
サジェストの観察は毎日行うことをお勧めします。
検索のトレンドは常に変化しており、新しいサジェストキーワードが出現することもあります。
定期的にチェックすることで、最新のユーザーニーズを把握し、タイムリーなコンテンツ作成につなげましょう。
ラッコキーワード・Ubersuggestを使う
より詳細で包括的な検索意図の分析を行うためには、専用のキーワードツールを活用することが効果的です。
特に「ラッコキーワード」と「Ubersuggest」は、無料で利用できる優秀なツールとして多くのSEO担当者に愛用されています。
ラッコキーワードは、指定したキーワードに関連する膨大な関連語を一度に抽出できるツールです。
Googleサジェストだけでは見つけられない関連語も含めて、包括的にキーワードを収集することができます。
さらに、Yahoo知恵袋や教えてgooなどのQ&Aサイトで実際に質問されている内容も確認できるため、リアルなユーザーニーズを把握するのに非常に有効です。
Ubersuggestは、関連語の抽出に加えて、検索ボリュームや競合性、クリック単価なども確認できるツールです。
キーワードの商業的価値や難易度を数値で把握できるため、どのキーワードを優先的に狙うべきかを客観的に判断することができます。
これらのツールを使用する際のポイントは、データを鵜呑みにするのではなく、自分のビジネスや顧客の特性と照らし合わせて解釈することです。
検索ボリュームが多いキーワードでも、自社のターゲット顧客に合致しなければ意味がありません。
逆に検索ボリュームが少なくても、自社のサービスに強く関連するキーワードであれば、積極的に狙う価値があります。
ラッコキーワードで「ホームページ制作」を調べると、「ホームページ制作 料金表」「ホームページ制作 見積もり」「ホームページ制作 期間」「ホームページ制作 流れ」といった具体的なロングテールキーワードを大量に発見できます。
これらのキーワードは、それぞれ異なる検索意図を持っており、個別に記事を作成する価値があります。

初心者の方には、まずラッコキーワードから始めることをお勧めします。
操作が簡単で分かりやすく、無料版でも十分な機能を利用できます。
慣れてきたらUbersuggestも併用して、より詳細な分析を行うと良いでしょう。
実際の検索結果を分析する(SERP分析)
検索意図を深掘りする上で最も重要な手法の一つが、SERP(Search Engine Results Page)分析です。
SERPとは検索結果ページのことで、実際にキーワードで検索した時に表示されるページ群を分析することで、Googleがそのキーワードに対してどのような検索意図を重視しているかを把握することができます。
SERP分析の基本的な考え方は「現在上位表示されているページが、Googleが考える理想的な答え」だということです。
Googleは膨大なデータを基に、ユーザーの検索意図に最も適切に答えているページを上位に表示しています。
つまり、現在の検索結果を分析することで、そのキーワードに対する正解の方向性を知ることができます。
「ホームページ制作 料金」で検索してみましょう。
上位に表示されるページを確認すると、料金表を掲載しているページ、制作費用の相場を解説しているページ、料金プランを比較しているページなどが表示されます。
これらのページの共通点を分析することで、このキーワードで検索するユーザーがどのような情報を求めているかが明確になります。
SERP分析で注目すべきポイントはいくつかあります。
まず、上位10位までのページのタイトルとディスクリプションを確認し、どのような切り口で情報を提供しているかを把握します。

次に、実際にページを開いて、コンテンツの構成や情報の詳しさ、画像や図表の使用状況などを分析します。
特に重要なのは「どのような情報がどの順番で提供されているか」という点です。
上位ページの多くが同じような構成になっている場合、その構成がユーザーの情報収集パターンに合致していることを意味します。
このパターンを参考にしながら、さらに詳しい情報や独自の視点を加えることで、競合を上回るコンテンツを作成することができます。
また、検索結果に表示される「強調スニペット」や「よくある質問」なども重要な情報源です。
これらの機能は、Googleがそのキーワードに対して特に重要だと判断している情報を表示しているため、検索意図を理解する上で非常に参考になります。

SERP分析は一度だけでなく、定期的に行うことが重要です。
検索結果は常に変化しており、新しいページが上位に表示されることもあります。
月に一度程度の頻度で主要キーワードのSERP分析を行い、最新のトレンドや競合の動向を把握することで、常に最適なコンテンツを維持しましょう!。
キーワードの選定ステップ【初心者向け】
ここまで検索意図の深掘り方法について詳しく解説してきましたが、実際にキーワードを選定する際の具体的な手順について説明します。
初心者の方でも迷わずに実践できるよう、6つのステップに分けて解説していきます。
キーワード選定は感覚や思い付きで行うものではありません。
体系的なアプローチを取ることで、効率的に成果の出るキーワードを見つけることができます。
このステップを繰り返し実践することで、キーワード選定のスキルが向上し、より精度の高いSEO対策が可能になります。
ステップ1:自分のサービスや記事テーマを書き出す
キーワード選定の第一歩は、自分が提供しているサービスや、記事で扱いたいテーマを明確にすることです。
ここで重要なのは、できるだけ具体的に書き出すことです。
漠然とした表現ではなく、詳細な特徴や強みまで含めて整理しましょう。
たとえば、ホームページ制作サービスを提供している場合、単に「ホームページ制作」だけでなく「女性起業家向けホームページ制作」「WordPress専門ホームページ制作」「SEO対策込みホームページ制作」「小規模事業者向け格安ホームページ制作」といった具体的な特徴まで書き出します。
整体院を経営している場合も同様です。
「整体」だけでなく「産後骨盤矯正専門整体」「スポーツ障害専門整体」「自律神経失調症改善整体」「高齢者向け優しい整体」といった専門分野や対象者まで明確にします。
この作業を丁寧に行うことで、自分のビジネスの独自性や強みが明確になり、差別化できるキーワードを見つけやすくなります。
また、後のペルソナ設定や検索意図の分析においても、この情報が重要な基盤となります。
ステップ2:ペルソナ(理想の読者)を設定
次に、記事を読んでほしい理想的な読者像(ペルソナ)を具体的に設定します。
ペルソナ設定は、検索意図を正確に把握するための重要な作業です。
抽象的な「ターゲット」ではなく、実在する一人の人物をイメージできるレベルまで詳細に設定することが重要です。
ペルソナ設定では、年齢、性別、職業、年収、居住地域といった基本的な属性だけでなく、悩みや課題、価値観、情報収集の傾向、検索行動のパターンまで設定します。
たとえば「35歳、女性、個人事業主、年収400万円、東京都在住、ITに詳しくない、時間がない、費用を抑えたい、信頼できる業者を探している」といった具合です。
このペルソナが「なぜそのキーワードで検索するのか」「どのような情報を求めているのか」「どのような状況でそのキーワードを検索するのか」を想像することで、検索意図をより具体的に理解することができます。
ペルソナ設定は一度決めたら終わりではありません。
実際に記事を公開してアクセス解析データを確認したり、お客様からの問い合わせ内容を分析したりして、定期的にペルソナの設定を見直すことが重要です。
ステップ3:ラッコキーワードで関連語を抽出
ペルソナの設定が完了したら、実際にキーワードリサーチを開始します。
まずはラッコキーワードを使って、メインキーワードに関連する様々なキーワードを抽出しましょう。
ラッコキーワードにメインキーワードを入力すると、Google サジェスト、Bing サジェスト、YouTube サジェストなど、様々なプラットフォームのサジェストキーワードを一括で取得できます。
さらに、Yahoo知恵袋や教えてgooで実際に質問されている内容も確認できるため、リアルなユーザーニーズを把握することができます。

抽出されたキーワードは、Excelやスプレッドシートにまとめて整理しましょう。
この時点では、できるだけ多くのキーワードを収集することが重要です。
後のステップで絞り込みを行いますので、この段階では量を重視してください。
Q&Aサイトの情報も非常に有用です。
実際にユーザーが抱えている悩みや疑問が生の声で表現されているため、検索意図を理解する上で貴重な情報源となります。
質問のタイトルや内容を分析することで、どのようなキーワードでコンテンツを作成すべきかのヒントを得ることができます。
ステップ4:サジェスト・SERPをチェックして意図を分析
抽出したキーワードの中から有望なものを選び出すために、実際にGoogle検索を行ってサジェストとSERPを詳しく分析します。
この作業により、各キーワードの検索意図と競合状況を把握することができます。
まず、候補キーワードを実際にGoogle検索ボックスに入力し、表示されるサジェストを確認します。
さらに詳細なサジェストを確認するため、スペースを入れて追加のサジェストも表示させましょう。
これらのサジェストから、ユーザーがそのキーワードに対してどのような関連情報を求めているかが分かります。
次に、実際に検索を実行して検索結果ページを分析します。
上位10位までのページのタイトルとスニペットを確認し、どのような情報が提供されているかを把握します。
また、「他の人はこちらも検索」や強調スニペット、関連する質問なども重要な情報源です。
この分析により、そのキーワードでコンテンツを作成する際に、どのような情報を含めるべきか、どのような構成にするべきかが明確になります。
また、上位ページの品質や情報量を確認することで、競合の強さも把握できます。
ステップ5:「ミドル~ロングテール」で絞る
分析が完了したら、実際に狙うキーワードを絞り込みます。
小規模事業者の場合、ビッグキーワードではなく、ミドルキーワード(2語の複合キーワード)からロングテールキーワード(3語以上の複合キーワード)を中心に選定することが重要です。
キーワードの絞り込みでは、検索ボリューム、競合の強さ、自社のサービスとの関連性、成約への近さなどを総合的に判断します。
月間検索ボリュームが100〜1,000回程度で、競合がそれほど強くなく、自社のサービスに直結するキーワードが理想的です。
「ラッコキーワード」だと、有料プランにグレードアップする必要がありますが、「Googleキーワードプランナー」を利用することで
無料で「検索ボリューム」と「競合の強さ」を確認することが可能です。
たとえば、「ホームページ制作 名古屋 女性起業家 WordPress」「整体 腰痛 産後 豊田市 骨盤矯正」といった具体的なロングテールキーワードを選定します。
これらのキーワードは検索ボリュームこそ少ないものの、検索意図が明確で成約率が高いという特徴があります。
キーワードの絞り込みでは、自分のリソースも考慮する必要があります。
月に作成できる記事数に限りがある場合は、より成果の出やすいキーワードを優先的に選定し、計画的にコンテンツを作成していくことが重要です。
ステップ6:1記事=1検索意図で書く
最後に重要なのが「1記事=1検索意図」の原則を守ることです。
一つの記事では、一つの明確な検索意図に対して深く詳しく答えることを心がけましょう。
複数の検索意図を一つの記事で扱おうとすると、内容が散漫になり、どの検索意図に対しても中途半端な答えしか提供できなくなってしまいます。
たとえば「ホームページ制作 料金 相場」というキーワードで記事を書く場合は、料金相場の情報に特化した記事を作成します。
制作方法や会社選びのポイントなど、他の検索意図に関する情報は別記事として作成することが重要です。
一つの検索意図に集中することで、より詳しく専門的な情報を提供でき、ユーザーの満足度を高めることができます。
また、Googleからも「この記事はこの検索意図に対する最適な答えを提供している」と評価され、上位表示される可能性が高まります。
記事作成時には、選定したキーワードで実際に検索するユーザーの立場に立って、「この記事を読むことで、ユーザーの疑問や悩みが完全に解決するか」を常に確認しながら執筆することが重要です。
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まとめ
検索意図を深掘りするためには、Googleサジェストや再検索ワードの観察、ラッコキーワードやUbersuggestの活用、実際の検索結果の分析といった具体的な手法を組み合わせることが効果的です。
そして、自分のサービステーマの明確化、ペルソナ設定、関連語の抽出、意図分析、キーワード絞り込み、記事作成という6つのステップを体系的に実践することで、確実に成果につながるSEO対策を行うことができます。
大手企業のような豊富なリソースはなくても、ユーザーの検索意図を深く理解し、専門性の高い価値ある情報を提供することで、十分に競争優位を築くことができます。
ロングテールキーワードを起点に、検索意図を深掘りして記事を書いてくことで、無理なく確実に集客・問い合わせにつながるSEOを実現しましょう!

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全日本SEO協会認定コンサルタント
リンクウェブ 代表 平松由花梨
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投稿者プロフィール

- 全日本SEO協会認定コンサルタント リンクウェブ代表
-
愛知県の商業高校を卒業後、IT業界に従事。
2018年Wordpressと出会い50社以上のWebページ制作に関わる。
1978年 愛知県出身
大学生・専門学生の息子2人を持つシングルマザー起業家。
趣味はソロキャンプ。
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