WordPressでWebサイトを運営している皆さん、定期的なメンテナンスはしっかりと行っていますか?
「サイトが正常に動いているから大丈夫」と思っていませんか?

実は、WordPressサイトの運営にあたって保守メンテナンスは、必須事項なんです!
今回は、この身近な例を使って、WordPress保守の重要性について分かりやすく解説します。

目次

iPhoneやWindowsアップデートと同じ?WordPressメンテナンスの基本

あなたは普段、iPhoneのアップデート通知やWindowsの更新プログラムが来たらどうしていますか?
「後でやろう」と思いながらも、結局はアップデートしているのではないでしょうか。

なぜなら、アップデートをしないと新しいアプリが使えなくなったり、セキュリティ面で不安になったり、動作が不安定になることを知っているからです。

WordPressサイトも同じくアップデートが必要

実は、WordPressサイトも全く同じです。

iPhoneのiOSアップデート、WindowsのOSアップデート、各アプリやソフトウェアのアップデートと同じように、WordPressにも定期的なメンテナンスが必要です。そして、放置すれば放置するほど、大きなトラブルに発展するリスクが高まります。

例えば、iPhoneの場合、頻繁に「iOSの新しいバージョンが利用可能です」という通知が届き、App Storeには赤いバッジでアプリのアップデート通知が表示されます。そして、古いiPhoneを使っていると「このアプリはiOS 15以降が必要です」と表示されて、新しいアプリがダウンロードできない経験、ないでしょうか?

Windowsの場合、パソコンを起動すると「更新プログラムをインストールしています」の画面が表示され、作業を始めようとすると「Windows Updateが利用可能です」の通知が右下に現れます。また、古いバージョンのOfficeを使っていると、新しいExcelファイルが「互換性がありません」と表示されて開けない経験もあるはずです。

これらは全て、WordPressサイトでも同じことが起こっています。

WordPressで必要な3つのメンテナンス

WordPressサイトを安全に運営するために必要なメンテナンスは、大きく分けて3つあります。これらを身近なデバイスに例えると、より理解しやすくなります。

1. PHPのバージョンアップ

これは、iPhoneでいうところの「iOS」やWindowsでいう「OS(オペレーティングシステム)」のアップデートと同じです。
PHPはWordPressを動かすための基盤となるプログラミング言語で、この土台がしっかりしていないと、その上で動くWordPress自体が不安定になってしまいます。

2. WordPressのバージョンアップ

これは、iPhoneの「設定アプリ」やWindowsの「コントロールパネル」のような、システムの中核機能のアップデートです。
WordPressはサイト全体を管理する司令塔の役割を果たしており、ここが古いままだとセキュリティや機能面で大きな問題が発生します。

3. プラグインのバージョンアップ

これは、iPhoneの「LINE」や「Instagram」、Windowsの「Office」や「Adobe」といった各種アプリケーションのアップデートと同じです。プラグインはWordPressに様々な機能を追加するツールで、お問い合わせフォームやSEO対策、セキュリティ強化など、サイト運営に欠かせない機能を提供しています。

なぜアップデートが必要なのか?

WordPressは世界で最も使用されているCMS(コンテンツ管理システム)です。つまり、世界中のハッカーにとって「最も効率良く攻撃できるターゲット」でもあります。

これは、iPhoneやAndroidが多くのウイルス作成者に狙われるのと同じ理由です。利用者が多いほど、攻撃の成功率が高くなるからです。

攻撃は24時間365日続いている

ハッカーは大企業だけを狙うわけではありません。自動的にコンピューターによる総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)を行っており。その攻撃は1分間で何百回と実行されています。あなたが寝ている間も、仕事をしている間も攻撃は止まりません。
特に、年末年始など長期休暇に入る際に攻撃されるケースが多く、気が付いたら大切なホームページが乗っ取られていた!なんて事態も起こりえます。

セキュリティの強化

iPhoneの場合は、新しいウィルスや詐欺手法の対策が含まれたセキュリティアップデートが配信されています。Windowsの場合もハッキングや不正アクセスを防ぐためのセキュリティホイール(脆弱性)の修正が含まれています。古いバーションを使い続けることは、玄関の鍵を開けっ放しにしているようなもの。
その鍵穴の場所をハッカーは既に知っているのです。

1つのサイトが危険にさらされると...

最も恐ろしいのは「連鎖被害」です。
複数のサイトを1つのサーバーで運営している場合(多くの方がそうです)、1つのサイトに侵入されただけで、同一サーバー内の全サイトが全滅してしまいます。
これは、アパートの1室に泥棒が入られたら、なぜか全部屋の鍵も開けられてしまうようなものです。

アップデートを怠ったことで起こりえる重大な問題

  • ハッキングされる:サイトが乗っ取られ、顧客情報が流出
  • サイトが表示されなくなる:ビジネス機会の損失
  • 検索順位が下がる:Googleからの評価が下がる
  • 同一サーバー内の全サイトが被害を受ける:1つのサイトの被害が他のサイトにも波及
  • 復旧に高額な費用と長時間:専門業者でも復旧が困難で、数十万円以上の費用がかかることも

復旧作業の現実

ハッキング被害からの復旧は、プロの技術者でも非常に困難な作業です。
攻撃を仕掛けてくるハッカーはとても優秀な技術者です。その、ハッカーが仕掛けた悪意のあるコードを完全に除去するのは至難の業なのです。
また、重要なデータが改ざんや削除されている可能性もあり、復旧ができない場合も多いのです。
業者に復旧作業を依頼する場合、その困難さから数十万円の費用がかかる事もあります。
また、一度、攻撃を受けてしまいウィルスに感染したことが原因で、あなたのドメインを使って迷惑メールの一斉送信や詐欺行為が行われた場合、Googleなどの検索エンジンや、ユーザーからの信頼を取り戻すまでに時間がかかる場合もあります。

バックアップデータの重要性

WordPressで作成されたWebサイトのデータはバックアップを取ることも可能です。
定期的にバックアップを取ることで、万が一攻撃を受けてしまっても、復旧作業時間が数週間から数日に短縮することができ、復旧作業も大幅に削減することができます。また、大切なサイトデータの損失リスクも最小限に抑えることができます。
必ず、定期的にバックアップを取るようにしましょう。

3つのメンテナンスを詳しく解説

iPhoneやWindowsのアップデートが「なぜ必要なのか」「何が変わるのか」を理解しているように、WordPressの3つのメンテナンスについても、その仕組みや内容を詳しく知ることで、なぜ定期的な更新が重要なのかがより明確になります。

ここでは、PHP、WordPress、プラグインそれぞれのアップデートについて、技術的な背景から実際の作業内容、そして放置することのリスクまで、一つずつ詳しく解説していきます。あなたのサイトで今何が起こっているのか、そしてプロのメンテナンス業者が実際にどのような作業を行っているのかを理解できるはずです。

1. PHPのバージョンアップ - 土台となる基盤システム

PHPは、WordPressサイトをブラウザに表示するための仕組みです。家を建てる時の「基礎工事」のように、見えない部分でサイト全体を支えている重要な土台の役割を果たしています。

PHPの更新は、あなたのサイトが実際に置かれているXサーバーや、さくらサーバー、ロリポプサーバー等「Webサーバー」内で行います。
そのため、一般の方が自分で更新するのは非常に困難で、Webサーバーに関する専門的な知識と技術が必要になります。

では、なぜPHPのアップデートが必要なのでしょうか?

セキュリティを強化するため

古いバージョンのPHPには、悪意のある人(ハッカー)が悪用できる「セキュリティホール」と呼ばれる弱点が数多く発見されています。これは、古い家の鍵が時代遅れになって、泥棒に簡単に開けられてしまうようなものです。新しいPHPでは、これらの弱点が修正され、より強固な防御ができるようになります。

サイトの表示速度を向上させるため

新しいPHPは、古いバージョンと比べて格段に処理速度が速くなっています。同じ作業をより効率的に行えるため、あなたのサイトを訪れた人は、より速くページを見ることができます。これは、古い車から新しい車に乗り換えたときの燃費向上や加速性能アップと同じような効果です。
ページの処理速度(サイトスピード)はSEOでも重要な指標となっています。

WordPressとの相性を保つため

WordPressは常に進化しており、新しいバージョンでは新しいPHP機能を活用した改良が行われています。古いPHPを使い続けると、WordPressの新機能を十分に活用できず、せっかくの改良点を享受できません。

サポート終了による危険を避けるため

PHPの古いバージョンは、ある時点で公式サポートが終了します。サポートが終了すると、新たなセキュリティホールが発見されても修正されることがありません。これは、メーカーが修理やアフターサービスを停止した古い家電を使い続けるようなもので、故障しても直せない状態になってしまいます。

PHP 7.4以前を使っている場合の深刻な危険性

もしあなたのサイトがPHP 7.4以前の古いバージョンを使っている場合、それは非常に危険な状態です。これらのバージョンは既に公式サポートが終了しており、セキュリティホールが発見されても修正されることはありません。

ハッカーにとって、こうした古いPHPを使っているサイトは「攻撃しやすいターゲット」そのものです。なぜなら、弱点が公開されているにも関わらず、それが修正されていないからです。これは、玄関の鍵が壊れていることが近所に知れ渡っているのに、修理せずに放置している家のようなものです。

アップデート時に注意すべきポイント

PHPのアップデートは重要ですが、慎重に行う必要があります。

新しいPHPでは、古い書き方のプログラムが動作しなくなることがあります。そのため、現在使用しているWordPressやプラグインが新しいPHPで正常に動作するかを、事前に確認する必要があります。これは、新しいスマートフォンに機種変更する前に、使いたいアプリが対応しているかを確認するのと同じです。

長い間更新されていない古いプラグインは、新しいPHPで動作しなくなる可能性があるからです。
重要な機能を提供しているプラグインが動かなくなると、サイト全体に影響が出る場合があります。

バックアップとテスト環境での事前検証

PHPのアップデートを行う前には、必ずサイト全体のバックアップを取り、可能であればテスト環境で動作確認を行うことが重要です。これにより、万が一問題が発生しても、元の状態に戻すことができます。

このように、PHPのアップデートは「必要だが慎重に行うべき作業」です。だからこそ、専門知識を持った業者に依頼することが、最も安全で確実な方法と言ええます。

2. WordPressのバージョンアップ - サイトの心臓部

WordPressは「CMS(コンテンツ管理システム)」と呼ばれるシステムで、サイト全体を管理する司令塔のような役割を果たしています。
iPhoneでいえば「設定アプリ」や「メール機能」、Windowsでいえば「コントロールパネル」や「エクスプローラー」のような、システムの核となる機能を提供する存在です。

WordPressは日々、あなたのサイトを運営するために記事や画像を整理整頓して管理し、サイトにアクセスできる人の権限を決め、Googleなどの検索エンジンに見つけてもらいやすくするSEO対策の基本機能を提供し、悪意のある攻撃からサイトを守るセキュリティ機能を働かせています。
これらすべてが連携することで、あなたのサイトが正常に動作しているのです。
だからこそ、WordPressが古いままだとセキュリティや機能面で大きな問題が発生してしまいます。

WordPressのバージョンアップは3種類ある

WordPressのアップデートには規模や重要度によって大きく3つの種類があり、コアアップデートと呼ばれる年に2〜3回行われる大きなアップデートでは、新しい機能がたくさん追加され、例えば記事を書きやすくするブロックエディターが改良されたり、管理画面の見た目や使い勝手が大幅に向上したりします。
これは車のフルモデルチェンジのようなものです。

マイナーアップデートと呼ばれる、月に1〜2回行われる小さなアップデートは日常的なメンテナンスのようなもので、小さな不具合(バグ)を修正したり、セキュリティの穴を塞いだりする車の定期点検に似ています。

そして最も重要なのが緊急セキュリティアップデートで、これは深刻なセキュリティ問題が発見された時に随時行われる緊急のアップデートです。
これは最優先で適用すべき更新で、放置すると非常に危険な車のリコール対応のようなものです。

WordPressをアップデートすることで新しいセキュリティ対策が追加されて最新の攻撃手法からサイトを守ることができ、プログラムコードが最適化されることでサイトの表示速度が向上し訪問者が快適にサイト内を閲覧することができます。

さらに検索エンジンに対する最適化が強化されてGoogle検索などで上位に表示されやすくなり、管理画面の操作性も改善されてサイト運営者にとってより使いやすくなります。

WordPressのバージョンアップの注意すべき点

ただし、WordPressのアップデートには注意すべき点もあります。

使用しているテーマやプラグインが新しいWordPressに対応していない場合は互換性の問題が発生し、サイトに独自のカスタマイズを加えている場合はその部分が正常に動作しなくなる可能性があり、アップデート作業中には一時的にサイトが正常に表示されなくなることもあります。
これらのリスクがあるため、WordPressのアップデートは事前の準備と慎重な作業が必要になり、だからこそ専門知識を持った業者に依頼することが安全で確実な選択なのです。

3. プラグインのバージョンアップ - 機能拡張ツール

プラグインは、WordPressに追加機能を与える「アプリ」のような存在です。iPhoneのApp Storeからダウンロードするアプリと同じように、必要な機能だけを選んで追加できます。

ここで、よく使われるプラグインをご紹介します。

  • SEO対策:Yoast SEO、All in One SEO
  • セキュリティ:Wordfence、SiteGuard
  • バックアップ:UpdraftPlus、BackWPup
  • 高速化:WP Rocket、W3 Total Cache
  • お問い合わせフォーム:Contact Form 7
  • SNS連携:Social Media Share Buttons

プラグインアップデートの重要性

プラグインのアップデートが重要な理由は、主にセキュリティ面と機能面の2つの観点があります。

セキュリティ面では、プラグインが第三者によって作成されているため、WordPressやPHP本体と比べてセキュリティホールが発見されやすいという特徴があります。
実際のところ、WordPressサイトへの攻撃の多くはプラグイン経由で行われており、ハッカーにとって古いプラグインは格好の「サイトの入り口」となってしまいます。これは、家の正面玄関は厳重に施錠していても、勝手口や窓の鍵が古くて簡単に開けられてしまうのと同じような状況です。

機能面では、WordPressが新しいバージョンになるたびに、プラグインもそれに対応する必要があります。
古いプラグインを使い続けると、新しいWordPressとの互換性が保てなくなり、正常に動作しなくなる可能性があります。
また、プラグインのアップデートには新機能の追加や既存機能の改善、バグ修正による安定性向上なども含まれており、これらを享受するためにも定期的なアップデートが欠かせません。

プラグインアップデートの注意点

プラグインアップデートを行う際には、互換性の確認が非常に重要になります。
まず、使用中のWordPress本体との互換性を確認し、次に他のプラグインとの競合が発生しないかをチェックし、さらに使用しているテーマとの相性も確認する必要があります。これらの確認を怠ると、アップデート後にサイトが正常に動作しなくなったり、一部の機能が使えなくなったりする可能性があるため、慎重な作業が求められます。

プラグインのアップデートには優先順位をつけて取り組むことが重要です。
最優先で対応すべきなのはセキュリティ関連プラグインで、これらは攻撃を防ぐ最前線の役割を果たしているため、セキュリティホールが発見された際は即座にアップデートする必要があります。
次に重要なのが、お問い合わせフォームやSEOツールなど、サイトの重要な機能を担っているプラグインです。
これらが正常に動作しないと、ビジネスに直接的な影響が出る可能性があります。
その他のプラグインについては、サイトの表示に影響を与えない範囲で順次更新していけば問題ありません。

不要プラグインの削除

プラグイン管理において特に重要なのが、不要なプラグインの削除です。
使っていないプラグインは必ず削除するようにしましょう。
多くの人が誤解していることですが、プラグインを「停止」しただけでは不十分で、停止状態のプラグインでも攻撃対象になる可能性があります。
これは、使っていない部屋でも窓や扉があれば侵入経路になってしまうのと同じ理屈です。
また、プラグインの数が多ければ多いほどセキュリティリスクは増加するため、本当に必要なプラグインだけを残し、定期的に見直すことが大切です。

3つのメンテナンスの相互関係

これまで説明してきた3つのメンテナンス(PHP、WordPress、プラグイン)は、それぞれが独立しているわけではなく、密接に関係し合っています。特に重要なのは、これらのアップデートには正しい順序があるということです。

PHPからWordPress、そしてプラグインという順番で影響し合う構造になっているため、アップデート作業も同じ順序で慎重に進める必要があります。

まず最初にPHPのアップデートを行い、サイトの土台となる基盤システムを最新の状態にします。
次にWordPressのアップデートを実施し、サイトの基本システムを更新します。
最後にプラグインのアップデートを行い、各機能を最新バージョンに更新するという流れです。

この順序を間違えてしまうと、例えばプラグインを先に更新してしまった場合、古いWordPressやPHPでは対応できない新機能が含まれていた時に、サイトが正常に表示されなくなったり、最悪の場合は完全に動作しなくなったりする可能性があります。
また、各段階で互換性の検証を行いながら進める必要があるため、単純にボタンを押すだけでは済まない複雑な作業になります。
このような技術的な複雑さと、失敗した場合のリスクの大きさを考えると、専門知識を持ったプロによるメンテナンスが最も安全で確実な選択であることがお分かりいただけるでしょう。

定期更新 vs 放置後の一括更新 - 天と地の差

WordPressのメンテナンスにおいて、定期的に更新を行うのと、長期間放置してから一括で更新するのとでは、その結果に天と地ほどの差が生まれます。

定期的に更新を行っている場合、バージョン間の差が小さく保たれるため、互換性の問題は最小限に抑えられます。

例えば、PHP 8.1から8.2への段階的な更新であれば、大きな仕様変更に段階的に対応でき、トラブルが発生してもその原因を容易に特定することができます。
ユーザーにとってはサイトへの影響がほぼゼロで、変化に気づくことさえありません。
作業時間も1つずつの確認で済むため、月次更新であれば30分から1時間程度で完了し、サイトの停止時間もほぼゼロで済みます。

一方、長期間放置してからいきなり最新版に更新した場合は、深刻な問題が発生する可能性が非常に高くなります。

PHP 7.4から8.2への3世代分のバージョンアップや、WordPress 5.8から6.4への10回以上の更新を一気に適用することになると、廃止された機能により古いコードが突然動かなくなったり、セキュリティ強化により一部機能が制限されたりします。

プラグインにおいても大量の互換性エラーが発生し、開発が終了した古いプラグインが完全に停止してしまいます。お問い合わせフォームやSEO機能といった重要な機能が動かなくなり、代替プラグインへの移行が必要になって設定を一から作り直すことになります。最悪の場合、古いプラグインのデータが読み込めなくなるデータ損失のリスクまで発生します。

テーマについても致命的な不具合が起こりやすく、デザインが完全に崩れてレイアウトがぐちゃぐちゃになったり、独自に追加した機能やデザインが消失したり、スマートフォンで正常に表示されなくなったりします。

最も深刻な場合には、サイトが真っ白画面になって全く表示されない「White Screen of Death」状態になったり、管理画面にログインできなくなって復旧作業すらできない状態に陥ったり、データベースエラーによりサイトのデータ自体が破損したりすることもあります。

作業時間と費用が爆発的に増加

復旧作業も非常に複雑になり、作業時間が爆発的に増加します。
定期更新なら30分から1時間で済む作業が、放置後の更新では数日から数週間かかることも珍しくありません。
互換性のない要素を一つずつ調査して特定し、50個のプラグインを1つずつテストし、カスタマイズ部分を書き直し、バックアップからの部分復元を行い、本来なら一度に済む作業を分割して実行するなど、膨大な手間がかかります。

費用面でも大きな差が生まれます。月額1万円の定期メンテナンスを12ヶ月続けた場合の年間費用は12万円ですが、放置後の緊急対応では緊急復旧作業だけで30万円から100万円、データ復旧に10万円から50万円、新しいテーマやプラグインの導入に20万円から80万円かかり、合計すると60万円から230万円という高額な費用が発生することもあります。

定期的なアップデートをしていなかった為に発生した実際のトラブル例

実際のトラブル事例として、3年間放置したECサイトでは、PHP 7.2から8.2、WordPress 5.0から6.4への一括更新によりショッピングカート機能が完全停止し、顧客データベースの一部が読み込み不可能になり、復旧まで2週間かかって売上機会損失が300万円に達したケースがあります。

また、2年間更新していない企業サイトでは、更新後にサイトが真っ白になり、お問い合わせフォームが機能せずに新規顧客を逃し、SEO順位が大幅に下落してGoogleからペナルティ判定を受け、完全復旧まで1ヶ月かかったケースもあります。

大切なのは更新を先延ばしにしないこと

更新を先延ばしにすることは、小さな問題を巨大な問題に育てる行為であり、1万円の予防を100万円の治療に変えることに。

車に例えるなら、定期的なオイル交換を怠り、エンジンが焼き付いてから「車を直してくれ」と言うようなもので、エンジン交換には新車購入に近い費用がかかってしまいます。
だからこそ、定期的なメンテナンスが最も安く、最も安全な選択なのです。

保守費用は「必要経費」という考え方

一般的に、専門業者はこれらの更新やメンテナンスを「保守契約」で行います。
保守契約はその内容や業者によって金額差はありますが、月額5000円~1万円程度です。

もし月額1万円程度の保守費用が払えないのであれば、そもそもWordPressを使うべきではありません。
これは厳しい言い方に聞こえるかもしれませんが、現実的な話です。

ホームページは大切な資産です。
保守を行わないのは、車検を行わず、なんのメンテナンスもせずに車に乗るのと同じです。
最初は動くかもしれませんが、いずれ必ず大きなトラブルに見舞われ舞われ、結果的にはるかに高額な費用がかかることになります。

保守費用を「コスト」ではなく「投資」として考えることが重要です。
月額1万円の保守費用は、年間で12万円の投資ですが、これによりサイトが安全に稼働し続け、ビジネスチャンスを逃すことなく、顧客からの信頼を維持できます。
一方、保守を怠ってトラブルが発生した場合の損失は、復旧費用だけでなく、売上機会の損失、顧客の信頼失墜、SEO順位の下落など、計り知れないものになります。

Webサイトは24時間365日働き続ける営業マンのような存在であり、その営業マンが突然倒れて働けなくなったり、間違った情報を顧客に伝えたりするリスクを考えれば、月額1万円の保守費用は決して高くないはずです。

また、保守を専門業者に依頼することで、自社のスタッフがメンテナンス作業に時間を取られることなく、本来の業務に集中できるというメリットもあります。
仮に社内のスタッフがメンテナンス作業を行った場合、その時間コストを計算すると、専門業者に依頼する費用と大差ないか、むしろ高くつくことも多いのです。さらに、専門知識がない状態でメンテナンス作業を行うことのリスクを考えれば、プロに任せることが最も合理的な選択と言えるでしょう。

保守費用を削減しようとして自分でメンテナンスを行ったり、格安業者に依頼したりすることは、結果的に大きな損失につながる可能性が高いことを理解しておく必要があります。適切な技術力と経験を持った業者による定期的なメンテナンスこそが、長期的に見て最も経済的で安全な選択なのです。

まとめ

WordPressサイトの保守メンテナンスは、iPhoneやWindowsのアップデートと同じように、現代のWebサイト運営において避けて通れない重要な作業です。PHP、WordPress、プラグインという3つの要素それぞれに定期的なアップデートが必要であり、これらを適切な順序で慎重に行うことで、サイトの安全性と機能性を維持できます。

定期的なメンテナンスを行うことで、セキュリティリスクを最小限に抑え、サイトの表示速度を向上させ、検索エンジンでの評価を高め、ユーザーエクスペリエンスを改善できます。一方、メンテナンスを怠ることで発生するリスクは計り知れず、ハッキング被害、サイト機能の停止、データ損失、復旧に高額な費用と長期間を要するなど、ビジネスに深刻な影響を与える可能性があります。

特に重要なのは、定期的な更新と放置後の一括更新では、作業の複雑さ、費用、リスクのすべてにおいて天と地ほどの差があるということです。月額1万円程度の定期メンテナンス費用は、決して高い投資ではなく、むしろサイトという重要な資産を守るための必要最小限の保険と考えるべきです。

WordPressサイトを安全かつ効果的に運営していくためには、専門知識と経験を持った業者による定期的なメンテナンスが不可欠です。
「面倒だから後で」「費用がもったいない」という短期的な判断ではなく、長期的な視点でサイトの価値を守り、ビジネスの成長を支える基盤として、適切なメンテナンス体制を整えることをお勧めします。

また、ホームページを制作時にそれらの保守契約をしっかりと行ってくれる業者を選択するようにしましょう!

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全日本SEO協会認定コンサルタント
リンクウェブ 代表 平松由花梨

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投稿者プロフィール

平松由花梨
平松由花梨全日本SEO協会認定コンサルタント リンクウェブ代表
愛知県の商業高校を卒業後、IT業界に従事。
2018年Wordpressと出会い50社以上のWebページ制作に関わる。
1978年 愛知県出身
大学生・専門学生の息子2人を持つシングルマザー起業家。
趣味はソロキャンプ。