「検索順位は1位のままなのに、最近アクセスが激減している…」 「以前ほどブログからの問い合わせが来なくなった…」
最近、私の元へも業種を問わず、このような切実なご相談が急増しています。
もしあなたも同じ悩みをお持ちなら、まずこれだけは言わせてください。
それは、あなたのコンテンツが悪くなったわけではありません。
「Googleの検索環境」と「ユーザーの行動」が、劇的に変わってしまったからです。

今回は、この激変する検索市場で生き残るためのキーワード、「AIO」「LLMO(AEO)」について、SEOコンサルタントの視点から具体的な対策を解説します。

なぜ今、Google検索からのアクセスが減っているのか?

理由は大きく分けて2つあります。

【1】Google検索のトップに「AIの回答」が鎮座するようになった(AIO)

これまで私たちは、検索結果の1位を目指してSEO対策をしてきました。 しかし現在、その1位のさらに上に、GoogleのAIが生成した要約回答(AIO:AI Overviews)が表示されるようになっています。

ユーザーは、わざわざサイトをクリックしなくても、検索画面上で「答え」を知って満足してしまいます(ゼロクリック検索)。 つまり、「順位が高くてもクリックされない」という現象が起きているからです。

【2】「ググる」から「AIに聞く」への行動変化

もう一つの変化は、そもそもGoogleを開かない人が増えていること。
ChatGPTやPerplexityなどの対話型AIに聞けば、広告なしで即座に答えが返ってきます。
これからのWeb集客は、「検索エンジンに評価される」だけでなく、「AIに参照元として選ばれる」ことが死活問題となります。

新時代のSEOキーワード「AIO」と「LLMO」とは?

対策の前に、まずは敵を知りましょう。

AIO (AI Overviews)

AIO (AI Overviews) とは、Google検索の最上部にでるAI回答エリアの事です。
ここに「参照リンク」として掲載されることを目指す対策です。」

「インフルエンザ予防接種の効果」でGoogle検索をした結果。一番上にAIによる概要が示され、引用元サイトへのリンクが張られている。

LLMO (Large Language Model Optimization)

LLMO (Large Language Model Optimization) とはChatGPTなどのAI(大規模言語モデル)に対し、「このサイトは信頼できる情報源だ」と学習させ、回答のソースとして引用させるための最適化です。(AEO:Answer Engine Optimizationとも呼ばれます)

ChatGPTに「北名古屋市でインフルエンザの予防接種を受けるには」と質問した結果。
複数の北名古屋市内の医療機関や、北名古屋市公式サイトへのリンクが掲載されている。

難しく聞こえるかもしれませんが、やるべきことの本質はとってもシンプルです。

AI時代に「選ばれるサイト」になる7つの具体策

これからのSEO(AIO・LLMO対策)で重要なのは、「AIが答えられない情報を持っているか」です。AIはネット上の情報の「平均点」を作るのは得意ですが、「体験」や「独自の見解」は持っていません。

そこを突くのが、これからの勝ち筋です。

「正解」ではなく「実体験」を書く

「〇〇とは?」といった定義や一般的な解説は、AIが最も得意とする分野です。ここで勝負しても勝てません。 AIが引用したくなるのは、以下のような一次情報です。

  • 教科書通りにいかなかった失敗談と、その解決策
  • 現場で実際に起きたトラブル事例
  • 筆者独自の考察や、偏愛にも似たこだわり

「情報」ではなく「経験」をコンテンツにしましょう!

AI(機械)に伝わる「構造」で書く

AIは人間のように文脈を雰囲気で読み取ってはくれません。論理構造が命です。

  • 結論ファースト:「質問→答え→理由→具体例」の順で書く。
  • リスト化:手順や要点は箇条書きにする。
  • 見出しの適正化:h2、h3タグを正しく使い、章ごとにテーマを絞る。

この書き方は、AIにとって読みやすいだけでなく、スマホで流し読みする人間にとっても読みやすい記事になります。そして、見出しの適正化はSEO対策の基本中の基本でもあります。

「誰が言っているか」を証明する(E-E-A-T)

ここが最も重要です。 ChatGPTなどのAIは、嘘(ハルシネーション)をつくことを避けるため、「情報の信憑性」と「誰が発信源か」を強烈に重視します。
どんなに良いことが書いてあっても、「どこの誰かわからない匿名サイト」の情報は、AIにとってリスクでしかないため引用されません。
そこで必須となるのが、Googleの評価基準でもある「E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)」を高めることです。
「誰が書いたかわからない記事」は、今後AIからも検索エンジンからも無視されてしまう可能性大!!

「どうすればAIに信頼されるサイトになれるのか?」 その具体的な手順については、以下の記事で初心者向けに詳しく解説しています。これを読んでいないと、これからのSEOのスタートラインにすら立てないです!

【初心者向け】検索順位が上がらない理由はこれ!Googleが最重要視する「E-E-A-T」と「YMYL」を徹底解説

あなたのサイトにはGoogleからの「信用」が足りていないのかもしれません。全日本SEO協会認定コンサルタントがGoogleが重要視するE-E-A-Tについてわかりやすく解説します。

信頼できる「一次ソース」と繋がる

あなたの記事の信頼性を補強するために、公的機関や論文、信頼できる大手メディアへの発リンクをします。「しっかりした根拠に基づいて書かれている」というシグナルは、AIからの評価を高めます。

絶対にやってはいけない「コバンザメSEO」の罠

ただし、リンクなら何でも良いわけではありません。「あなたのビジネスと全く関連性のないサイト」へのリンクは絶対に避けてください。

最近、「検索1位のウチのサイトにリンクを貼れば、あなたのSEO評価も上がりますよ!」といった甘い営業トークを耳にしますが、これは大きな間違いです。

GoogleのAIは「文脈」を見ています。 いくら相手が有名サイトでも、関連性のないリンクは「不自然なリンク操作(スパム)」とみなされ、逆に評価を下げられるリスクがあります。

また、他人の威光に頼るだけの「コバンザメのような小手先SEO」は非常に危険です。
仮に一時的に順位が上がったとしても、頼みの綱である相手サイトがペナルティを受けたり閉鎖されたりすれば、あなたのサイトも道連れで転落します。

「誰かにぶら下がる」のではなく、「自ら信頼を積み上げる」こと。 それが、長く生き残るための唯一の道です。

テキスト以外の情報をリッチにする

AIはテキスト情報を吸い上げますが、GoogleのAIOは「画像」や「動画」も合わせて表示する傾向があります。 特に、オリジナルの図解やグラフ、検証動画、インタビュー音声などは、他サイトと差別化できる強力な武器になります。

フリー素材の「ポン貼り」はNG!

ここで注意してほしいのが、「無料のフリー素材をダウンロードして、そのまま貼り付ける」という行為です。これは今日から卒業しましょう。

GoogleのAIは、高度な画像認識能力を持っています。 あなたが「綺麗な写真だ」と思って使ったフリー素材は、すでに何千、何万という他サイトで使われています。AIはそれを瞬時に見抜き、「どこにでもあるコピーコンテンツ(価値が低い)」と判断します。

解決策:Canvaで「ひと手間」加える

プロ並みのデザインスキルは必要ありません。もちろん、レイアウトが崩れていては評価が下がりますが、そもそもSEOもAIも「芸術的な美しさ」を評価はしていません。

Canvaなどのツールを使って、写真に「あなたの言葉(キャプション)」や「矢印」を書き加えるだけでOKです。
その「ひと手間」が加わった瞬間、その画像は「どこにでもあるフリー素材」から、「世界に一枚だけのオリジナル画像」になります。この一手間がAIに評価されますよ!
Canvaを使ったことが無い方は、無料で簡単にデザインを作成できるとても便利なツールなのでぜひ一度使ってみてくださいね!

https://www.canva.com


「サイテーション(指名)」を増やす

LLMOの観点では、ネット上でどれだけ「あなたのサイト名やブランド名」が話題(言及)になっているかが重要です。 SNSでの口コミや、他サイトからの引用が増えるほど、AIはあなたのサイトを「このジャンルの権威(有名人)である」と認識します。

「SNSかホームページか」論争の正解

よく「SNSがあればホームページはいらない」「ホームページがあればSNSなんていらない」という極端な意見を聞きますが、それは大きな間違いです。
AIやGoogleは、あなたの「Webサイト」と「SNSアカウント」を紐づけて評価しています。

  • SNSの役割: 名前を広め、サイテーション(話題)を作る「広報部長」
  • ホームページの役割: 詳しい情報と信頼性を提供する「本店」

この2つが相互にリンクし合うことで、初めてAIは「あ、この活発なSNSアカウントは、このWebサイトと同じ運営者なんだな」と理解し、評価が倍増するのです。 どちらか一つではなく、「掛け合わせ」で最強の集客導線を作りましょう!。

サイト全体で「専門家」になる

もはや、1記事のクオリティだけで評価される時代は終わりました。 AIは、サイト全体の構造を見て**「このサイトはこの分野についてどれだけ網羅しているか(トピックオーソリティ)」を判断しています。

バラバラに存在する記事を、関連する内部リンクで丁寧に繋ぎ合わせてください。 イメージは、サイト全体をそのジャンルの「分厚い専門書」のような構造に育て上げる感覚です。

また、適切な内部リンクは、読者に「こっちの記事も面白そう」とサイト内回遊(ついで読み)を促します。 結果として滞在時間が伸び、Googleからの評価もさらに高まるという「好循環」が生まれますよ!

AI時代=SEOのオワコン説は「誤解」です

「AIが答えを出すなら、もうSEOは意味がないのでは?」 そう悲観する声もありますが、私はだと考えています。AIは、誰かのコピーコンテンツや、質の低いまとめ記事を淘汰してくれます。 その結果、残るのは「汗をかいて書かれた、本当に役に立つコンテンツ」だけです。

これまで真面目に、誠実にユーザーと向き合ってきた方にとっては、むしろライバルが減る追い風の時代が来たと思っています。

まとめ:AIに愛される条件は「人間に愛されること」

ちょっと難しい話をしてきましたが、AIO・LLMO対策の極意はたった一つ。
「画面の向こうにいる人間を、本気で助けようとしているか」これに尽きます。
それは、「お客様にとって良いことをする」という、事業者として当たり前で、最も大切な「商売の原点」です。

AIは今、「人間にとって本当に有益な情報」を必死に探して学習しています。 だからこそ、AIの顔色を伺うのではなく、とことん人間(ユーザー)に向き合い、あなたの言葉で語りかけてください。

人間を大切にすること。 それが結果として、最新技術にも負けない「最強のAI対策」になります。

「自社のコンテンツをどう直せばいいかわからない」 「AIOの影響を受けているか診断してほしい」そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
最新のAI検索に対応した、あなただけの勝ち筋をご提案します。

投稿者プロフィール

平松由花梨
平松由花梨全日本SEO協会認定コンサルタント リンクウェブ代表
愛知県の商業高校を卒業後、IT業界に従事。
2018年Wordpressと出会い100社以上のWebページ制作に関わる。
1978年 愛知県北名古屋市(旧西春日井郡西春町)出身。
大学生・専門学生の息子2人を持つシングルマザー。
趣味はソロキャンプ。