「一生懸命ブログを書いているのに、検索順位が上がらない…」 もしそう悩んでいるなら、あなたのサイトにはGoogleからの「信用」が足りていないのかもしれません。

Googleは現在、「何が書かれているか(内容)」と同じくらい、「誰が書いているか(信用)」を重視しています。
その信用の基準となるのが、4つの頭文字をとった「E-E-A-T(イーイーエーティー)」です。
これは、GoogleがWebサイトにつける「通信簿」のようなものだと考えてください。

今回は、これからのSEOに不可欠な「E-E-A-T」と、絶対に知っておくべき「YMYL」について、わかりやすく解説します。

Googleの評価基準「E-E-A-T」の4つの要素

E-E-A-Tとは、Experience(経験)Expertise(専門性)Authoritativeness(権威性)Trustworthiness(信頼性)の4つの言葉の頭文字をとったものです。「E-E-A-T」と言われてもピンとこないですよね?
わかりやすいように、「病気になった時に、誰のアドバイスを聞きたいか?」に例えて説明します。

E:Experience(経験)

【意味】実際にそれを体験・経験したことがあるか?
【例】医者ではないが「同じ病気を克服した患者さん」の体験談。

実際に治療を受けてみた感想や、試してみた・使ってみた感想、写真、失敗談など「自分にしか語れない一次情報」と書くことが大切です。

E:Expertise(専門性)

【意味】その分野の知識やスキルがあるか?
【例】治療のプロである実際にその治療を行った「お医者さん」のアドバイス。

その病気や症状に特化した情報を発信します。「何でも屋」ではなく「〇〇の専門店」になりましょう!

A:Authoritativeness(権威性)

【意味】その分野で社会的に認められているか?他のプロから推薦されているか?
【例】「あの先生はその症例に関する名医だ」と医学会や他の医師から評価・表彰されている状態。

資格を持っていることや、公的機関・大手サイトからのリンクや紹介をされていることが大切です。

T:Trustworthiness(信頼性)

【意味】 その情報や発信者・サイトの運営者は正直で安全か?

じつは、この「信頼性」だけは他とは別格です。上記3つのE(経験)・E(専門性)・A(権威性)が揃って初めて得られる「結果」になります。
運営者情報を隠さない、連絡先を明記する、セキュリティ(SSL)を導入する、間違った情報を発信しないことが必要です。

なぜ今、「経験(Experience)」が追加されたのか?

以前は「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」の3つでした。しかし最近、先頭に「E(経験)」が追加されました。 理由はAIの登場です。

AIは(ChatGPTなど)ネット上に落ちている知識をまとめた「専門的」な文章を書くのは大の得意です。
でも、AIには「実際に食べてみた」「行ってみた」という「経験」はできません

人間は知識量ではAIに負けるかもしれませんが、「生身の体験(経験)」を持っています。
結果、Googleは「AIが書いたような教科書的な記事」よりも「あなただけの体験談(経験)」を高く評価するようになりました。

今すぐやるべき「E-E-A-T」対策 3ステップ

では、実際にどうしたらよいのでしょうか?
以下の3つを意識するだけで、E-E-A-Tを高めることができます。

「誰が書いているか」を隠さない(プロフィールの充実)

実名、顔写真、経歴、保有資格(〇〇認定コンサルタントなど)をしっかり載せましょう。「どこの誰か」を明らかにすることが信頼の第一歩です。
最近、街中で、クリニックの院長先生や経営者の顔写真が入った看板を見かけませんか?
あれは単なる目立ちたがりではなく、「私が責任を持って対応します」という覚悟の表れです。
見る側も「顔を出しているのだから、変なことはしないだろう」という安心感を抱きますよね!。
Webサイトも同じです。顔が見えることで、「逃げも隠れもしない」という強い信頼感が生まれます。
実はWebマーケティングの世界でも「顔出し(責任の所在の明確化)」は「ザイオンス効果(単純接触効果)」「返報性の原理(自己開示)」といった心理学的な観点からも、信頼獲得に絶大な効果があるとされています。

「教科書」ではなく「体験談を書く」

例えば、よくある「ホームページの作り方」をまとめるのではなく、「私が初心者の時に失敗したホームページ作りの落とし穴」を書いてみてください。
AIは、ネット上の情報をまとめて「正解」を書くことは得意です。 しかし、「あなたが冷や汗をかいた失敗談」や「現場で感じたリアルな感情」は、AIには絶対に書けません。 そういった「泥臭い一次情報」こそが、Googleが今もっとも求めている貴重なコンテンツになります。

「嘘のない情報」を発信する

これはもう、当たり前のことですね(笑)。しかし、Webの世界では意外とできていないサイトも多いのです。

わからないことは、知ったかぶりをせずに正直に「わからない」と伝える、あるいは調査中ですと書く。 そして、参考にしたデータやWebサイトがあれば、必ず「出典元」としてURLを明記しましょう。 この「情報の扱いに対する誠実さ」が、Googleからの評価を高める一番の近道です。

E-E-A-Tが命取りになるジャンル「YMYL」とは?

E-E-A-Tはすべてのブログで大切ですが、「ある特定のジャンル」*では、これが欠けていると検索順位が全く上がらない(圏外に飛ばされる)ことがあります。
それが「YMYL(ワイ・エム・ワイ・エル)」と呼ばれるジャンルです。

YMYLとは?

「Your Money or Your Life(あなたのお金、またはあなたの人生)」の頭文字をとった言葉です。 その名の通り、「読む人の『将来の幸福、健康、経済的安定、安全性』に大きな影響を与えるテーマ」を指します。

YMYLに含まれる主なジャンルは下記のとおりです。

  • 健康・医療: 病気、薬、メンタルヘルス、栄養など
  • お金・金融: 投資、税金、ローン、保険、不動産など
  • 法律・手続き: 離婚、遺言、裁判、ビザ取得など
  • 安全・公式情報: 災害情報、ニュース、公的サービスなど

なぜYMYLではE-E-A-Tが絶対条件なのか?

GoogleがYMYLを特別扱いするのは、「嘘や間違いがあった時の被害が大きすぎるから」です。

YMYLではない、例えばラーメン屋さんの場合、「ここのラーメンは世界一美味しい!」と書いてあったとします。
それを信じて食べに行き、実際はとんでもなく不味いラーメンだっとしても、「美味しくなかったなー。1000円損した」で済みますよね?

ですが、YMYLの場合、例えば病気の治療法だったとして、その記事の内容を信じた結果、病気が悪化したり最悪の場合は命に関わります。

だからこそGoogleは、YMYLジャンルの記事に対して、通常の何倍も厳しい基準でE-E-A-Tをチェックします。
「ただ詳しいだけの人」では評価されず、「医師」「弁護士」「ファイナンシャルプランナー」といった「公的な資格や圧倒的な権威性」がないと、上位表示させるのが非常に難しいのです。

もしあなたがYMYLジャンル(医療や投資など)を扱う場合は、E-E-A-T対策は「やったほうがいい」ではなく、「やらないとスタートラインにすら立てない」と覚えておいてください。

まとめ:これからのSEOは「テクニック」より「人間力」

最後に、大切なことをもう一度お伝えします。

E-E-A-Tとは、単なるGoogleのルールではありません。「この人の言うことなら信じられる!」と、Googleと読者に思ってもらうための「信頼の証」です!

  • 看板を出して責任の所在を明らかにすること(プロフィールの充実)
  • AIには書けない、あなただけの泥臭い経験を語ること(一次情報)
  • 読者の人生を左右するかもしれない情報を、誠実に扱うこと(YMYLへの配慮)

これらは決して、小手先のSEOテクニックではありません。 ビジネスとして、人として「当たり前の誠実さ」を貫くことです。

AIがどれだけ賢くなっても、「痛い」「辛い」「嬉しい」といった生身の感情や経験まではコピーできません。
あなたの「人間力」と「誠実さ」を記事に乗せること。 それこそが、AI時代における最強にして唯一のSEO対策になります。

投稿者プロフィール

平松由花梨
平松由花梨全日本SEO協会認定コンサルタント リンクウェブ代表
愛知県の商業高校を卒業後、IT業界に従事。
2018年Wordpressと出会い100社以上のWebページ制作に関わる。
1978年 愛知県北名古屋市(旧西春日井郡西春町)出身。
大学生・専門学生の息子2人を持つシングルマザー。
趣味はソロキャンプ。